Musement Fair 楽曲解説 01. ぼくらが歌をうたう理由 feat. 野見山睦未 & 鈴木祥子


今から7年近く前、2010年の年明けにこの曲のデモを持って鈴木祥子さんに相談に行ったのがアルバムへの第一歩でした。因みにアルバムに収録の新曲はすべてこの年に作った曲です。私がまだ40代半ば過ぎで、希望も体力もあり頭もよく冴えていた頃の記録、とも言えましょうか。


「私は作詞のみ担当、ボーカルにはLocal Busの野見山睦未さんがおすすめです☆」との祥子さんの助言により、野見山さんを紹介していただきました。祥子さんは00年代初頭のLocal Busの作品で作詞アドバイザーとして携わっており、福岡県郊外の田園地帯に住む野見山さんを訪ねて行くほどお気に入りだったのです。


そんなわけでLocal Busの音源を聴かせていただいたところが驚いたのなんの、まず作品の良さも半端ないですが、北欧かどこかの人ですか?といった感じの、J-POP離れというか浮世離れした歌声で。敢えて例えるならば、原田知世さんに通じる感じでしょうか。これは大変なお宝発見!という事で早速連絡を取りつけ、快くOKを頂く運びに。私の匿名的な性質の音楽には、野見山さんの方がよりふさわしいと祥子さんは考えたそうです。


野見山さんのボーカルは、自身による自宅録音。福岡 - 東京間のデータのやり取りで作業が進められましたが、他者が書き下ろした曲を新たに歌う事に慣れていなかったのもあってか、歌を何度も何度もトライしてくれました。そうして膨大になった歌のテイクの中から、これぞ野見山睦未な部分を厳選、オニ編集。MUSEMENTの腕の見せ所。またコーラスのアイデアも積極的に出してくれて、Bメロの「アー」コーラスや「レンアイ、イゾン~わからなくなってた」のハモリは野見山さんによるアイデア。ならではの歪んだテイストを注入してくれまして曲の重要なフックになっています。


野見山さんに送るデモ用に録った祥子さんの仮ボーカル(鳥羽修くんの協力にて録音)があまりに素晴らしいため、そのまま生かしてデュエットソングにしようと思いつき、祥子さんに「それは良いですね!☆」と賛成を得てこの形に。


その頃は加藤和彦さんが亡くなって間もない時で、加藤さんが残した「世の中が音楽を必要としなくなった」との言葉への祥子さんのアンサーがこの歌詞になったそうです。心から尊敬するミュージシャンである祥子さんが「音楽そのもの」をテーマに歌詞を書いてくれたという事は、私にとって非常に大きな意味のある事です。そして他ならぬ野見山睦未さんと鈴木祥子さんのデュエットという形でこの世に残せた事も。


たしかフランク・ザッパの曲「Bobby Brown」の♪Hey there people, I’m Bobby Brown~というメロディが私の脳内で変換され、この曲のサビのメロディになったと記憶しています。作曲というのは突拍子もない所に取っ掛かりがあるものです。間奏のシンセは、ジェネシスのトニー・バンクスが弾いているイメージで作成。