Musement Fair 楽曲解説 07. 僕の頭はF-WORD (remix) feat. 安藤裕子


2005年に作曲しまして、2007年の安藤裕子さんの3rdアルバム「shabon songs」が出て間もない春頃、

作詞とボーカルをお願いしてレコーディング。当時3歳だった娘を保育園に送る途中で「歌詞できました☆」と安藤さんからメールが届いたのを覚えています(どうでもいい情報)。


この曲での、諧謔味とやるせなさが半端ないボーカルは安藤さんならではで、前作が出た当時に多くの方々が評して下さった通り、危険な「病み付き感」「中毒性」があります。


MUSEMENTのボーカル曲はすべて、まるで歌詞とメロディが同時に出来たかのように仕上がっておりますが、これもやはり最初から安藤さんが歌うために作られた曲としか思えない。どうしてこんな魔法みたいな事が起こるんでしょうか。MUSEMENTを続けるモチベーションの根源はこの点にありそうな気がしてます。最高な歌が聴きたいから作曲を頑張る、そういう事なのではと。


ハモりの録音で「♪走る 走る 汗を 君に」にオクターブ下の低い声を、とお願いして重ねてもらった時、「お~、プリンスみたい☆」なんて安藤さんのスタッフ達と共に盛り上がった現場を楽しく思い出します。メインボーカルからハモりパートまで、全部ワンテイクであっと言う間に録り終わった覚えが。神業です。


「♪走る 走る 汗を」というメロディのマイナー7th→マイナー6th という動きは、明らかに「燃えよドラゴン」のテーマ曲(ラロ・シフリン作曲)の、あのメロディから来てます。作曲した時に頭にあったのは、70年代半ばのアクション映画/ブラックシネマの音楽っぽいイメージでした。おしなべて言うとその頃のSOUL/FUNKの感じという事になりましょうか。特に思い入れがあるのは2番から登場するストリングスのフレーズで、これはかなり「あの感じ」をモノに出来たという実感があります。安藤さんの歌との相乗効果で大変な事になっているではありませんか。きっとこの辺りも、この曲の「中毒性」の秘密の一つなのではと。


今回のリミックスでは、これも前作で自分で弾いた安っぽいギターをヴォコーダーに通してみたりなどして、シンセ音で執念の再構築。コンピュータボイスによる汚い言葉も全面カット。


「ラタトゥルア プアー いい夢の色はミドリ色」

、、、永遠に鮮烈さを失わないであろう見事なフレーズ。


安藤裕子さんとMUSEMENTの化学反応でポップミュージックの歴史に残った異形の爪痕が、いつまでも親しまれ語り継がれてほしい(大きく出た)、そんな願いを込めたリミックスなのでした。