Musement Fair 楽曲解説 10. Landslide feat. 野見山睦未 (cover)


フリートウッド・マックのアルバム「噂」は、イーグルス「ホテル・カリフォルニア」、スティービー・ワンダー「Key Of Life」、EW&F「太陽神」、「サタデーナイトフィーバー」のサントラなどと並んで私の中学時代に世の中を華やかに彩った大ヒットアルバムで、この辺りの音楽体験は私の中に濃厚に擦り込まれております。この曲は「噂」のひとつ前のアルバム「Fleetwood Mac」の曲で、オリジナルはほとんどアコギだけをバックに歌われています。兄のフォークギターを借りてコード進行をなんとかコピーし、よく弾いていたものです。


それから30年が経ち私も中年にさしかかり、夢中で音楽を聴いていた時代に与えてもらったものを恩返しする時が来たと感じ、カバーを作るという行動に出まして、さらに「好きな曲を好きな歌声で聴く」という最高の贅沢を味わうべく、野見山睦未さんにお願いしたわけです。


野見山さんに渡した私のアレンジデモは、Macのスピーチ機能を利用したロボ声による仮ボーカルを入れたものでした。市販されているボーカロイドと違ってこれまた気の遠くなるような作業によるものですが、これがうまい事に野見山さんの感性を刺激したようで、「ぼくらが歌を~」とは打って変わりあっという間にこのOKテイクをキメて送ってくれたのでした。


原曲をまったく知らず私のアレンジデモだけを聴いて歌ってくれた事が効を奏し、野見山さんの声のおいしい成分を濃厚に抽出する事に成功。ハモりはすべてデモに入れてあったロボ声をそのまま流用したもの。野見山さんの声との絶妙なブレンドを楽しんでもらえたらと思います。


オリジナルのアコギのスリーフィンガー奏法を、シンセとピチカート音に振り分けています。電子音とバロック音楽が混ざったような「憩い」な感じに昭和の幼少時代への私的なノスタルジーが表出。