Musement Fair 楽曲解説 11. アンダースカート feat. 野見山睦未


この曲のみボーカルは野見山さんの自宅録音ではなく、今年の春に東京のスタジオにお招きしての録音。異様にロー・テンションな歌唱が、ユーザーフレンドリーなメロディ(?)に絶妙な歪みを与えており、軽妙な心地よさ。これも野見山さん特有の強力な持ち味です。


2010年初頭に「ぼくらが歌を~」のデモを持って鈴木祥子さんに相談に行った時、一緒にこの曲のデモも聴いていただきまして、「 ”What A Fool Believes (ドゥービー・ブラザーズの大ヒット曲)” っぽいですね☆79年ですね!」と感想をいただきました。「79年」は当時の祥子さんと私の合言葉みたいになっていたのでした(笑)。そして野見山さんの歌が入った後、歌を最大限に輝かせるためのアレンジ調整をしていく中で、79年感とはまた違う方向に流れ流れて在るべき姿に落ち着いたのでした。


2010年の作業中に野見山さんから届いた歌詞を見て「それしたい」「あれのこと」「スカート吹き上げ」などの意味深でキャッチーな言葉に食いついた私の単細胞がはじき出したタイトルが「アンダースカート」というわけで、タイトルはその時点で即決。


僕たちは揺られる 吊り広告のように


と、この世を生きる我々の有様を電車の吊り広告になぞらえる野見山さんの感性が素敵です。 メロディ、抑揚を抑えた歌唱とのブレンドで、遣る瀬なさがにじみ出る素晴らしい作詞。


「僕たちは揺られる」から、あてどない転調の旅にさまよい出るのですが、間奏に入るところでちゃんと元のキーに戻るのが、12音階という音楽のシステムの不思議を感じます。見えざる力に導かれた感、というか(音楽理論などをちゃんと習得している人からするとそんな大層なことではないのかもですが)。


昔の歌謡曲などではよく使われていた、ラストのサビ辺りでひと盛り上がりさせる常套手段「半音上げ転調」を用いたのは私としては初めての試み。