Musement Fair 楽曲解説 13. Musement Fair feat. 野見山睦未


2010年に曲が出来た時、昭和の歌番組や娯楽番組のオープニングっぽさを感じたので「シオノギ ミュージックフェア」をもじって「ミューズメント・フェア」と仮タイトルをつけまして、またアルバムが出せるならばこれをアルバムタイトルとしよう、とこの時点でざっくりと決めていました。「ミュージックフェア」、サイモン&ガーファンクル「スカボロー・フェア」、ビージーズ「メロディ・フェア」などからの擦り込みか、私の中では「Fair」という単語は昭和ノスタルジーとリンクしているのです。


(「シオノギ ミュージックフェア」が現在も続いている番組という事をつい先日になって知りました。遠い昔に終わった昭和の番組だと思っていたのです)


野見山さんに最初にデモを送った時点では4つ打ちビートのシンセポップといった有様だったのですが、データや意見のやり取りを続ける中で、古いドタバタ喜劇アニメ(トムとジェリーなど)感を目指す方向に。さらに野見山さんが子守唄を想定して書いてくれた歌詞やコーラスのアイデアから、私の中で「大草原の小さな家で眠る子供の夢の中で聴こえる音楽」というイメージが広がりまして、そういったコンセプトの元に作成。MUSEMENT流のサイケデリックという事になりましょうか。コード進行にはヴィンス・ガラルディによる「スヌーピー」の劇中曲「Peppermint Patty」の影響あり。


野見山さんから「使えたら使ってください」とコーラスのアイデアの奔流がドドドっと送られてきまして、それを私がオニ編集したコーラスワークが大フィーチャーされています。「寝息」を表現したという野見山さんの史上空前の試み。なんというセンス。一曲で野見山さんの様々な声が楽しめる点でも貴重な記録なのでは。「♪セレナーデ~」と歌っている部分がありますが、「セレナーデっていいですね☆」と喜びのメールを送ったところ「セニョリータでも何でもよかったのですが」という冷静な返しにもやられました。


メインボーカル (歌詞の部分) は野見山さんの歌を加工して3声のハーモニーになっていますが、ジャズのボーカルグループ的な感じを意識した、これまた凝りに凝ったハモリになっています。


すって はいて こずえ 渡る 夜風


この一行にやられました。シンプルな言葉で子供の頃の記憶を呼び覚ましてくれます。私の知る限り「こずえ」という言葉を音楽の中で聴いたことないです。「アタックNo.1」の鮎原こずえの名前でしか聞き覚えがない。ずっと忘れていた美しい単語。


最後は野見山家のオーブントースターの「チン!」という音で夢から覚めて終わります。


Vince Guaraldi 「Peppermint Patty」